NATSUKO in ラオス

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Vol. 2 ★ラオス、ワンタオ村での蜂蜜売り

 タイのチョーンメックから国境の柵を越えたら、ラオスのワンタオ村だ。ラオスに入ると店先に売られている品物の様相が一変しているのに気づいた。タイでは見かけなかったサル、大トカゲなどが並んでいる。食用として売られているのだ。私の目玉は飛び出そうになった。「すごすぎる!なんてワイルドな!!」


 ラオス、ワンタオ村の風景。左側のカサの下で蜂蜜などを売っている。左側の女性が手にしているのはサトウキビ。サトウキビの茎をそのままかじって、中の蜜を吸って食べる。
 好奇心にかられながら少し先に進むと、蜂蜜売りのおばさんが座っていた。とはいっても、日本のスーパーマーケットのように、出来合いのビン入り蜂蜜を売っているのではない。どこからか採ってきたばかりの蜂の巣を丸ごと絞り、したたる蜂蜜をその場でビンに詰めていたのだ。まさに、採れたての蜂蜜である。私は、その光景を見てさらにワクワクしてきた。そのおばさんは見るからにふくよかで、日頃から蜂蜜を食べているせいか、でっぷりとした貫禄のある体型をしていた。私はその蜂蜜売りにとても親しみを感じたので、そのおばさんの仕事ぶりをしばらく見てみることにした。

 蜂の巣にはまだ何匹もの生きた蜂が張り付いている。しかし、それをものともせずに、ビニール手袋をはめた両手で蜂の巣をギュッとつかむと、したたる蜂蜜をバケツに絞り込み、それをビンに流し込んでいた。

 珍しそうにおばさんの作業を見つめていると、それに気づいたおばさんは、格好のお客さんが来たとばかりに、「ビン詰めの蜂蜜を買って〜」としつこく迫ってきた。そこで、私は、「いえ、いいです」とすぐに断った。しかし、それでもおばさんは「50バーツにしてあげるから、買いなさいよ〜」と強引な蜂蜜売りの本領を発揮し始めた。

 「え〜。でも、移動しなくちゃいけないから、重いのでいりません」と私も負けずに断り続けた。おばさんは、「バンコクで買うとこれは高いわよ〜。だから買って行ってよ〜」と負けじと商売を繰り広げてきた。確かにバンコクでは、同量のビン詰め蜂蜜が200バーツで売られている。「うん、確かに安い!」あまりの迫力に押されて、私は「ん〜」と少しだけ悩んだが、やっぱり買うのをためらった。「味見してみなさい」と言われ、味見もしてみたのだが、思ったほどおいしくはない。しかも、蜂の巣から直に絞り込んでいるので、よく見ると、蜂の蜂蜜漬けのごとく、小さな蜂が丸ごと1匹入っているビンもある。

 重い蜂蜜瓶をかついでバンコクのアパートに持ち帰ったところで、自分がその蜂蜜を食べることは決してないだろうと確信していた。だからと言って、それをお土産にして誰かにあげることもためらわれた。「えぇ〜〜い!」私は心を鬼にして、やはり買わないことに決めた。なかなか蜂蜜を買ってくれないお客を前に、おばさんは何とか買わせようと次々とまくし立ててきた。

体型もド迫力!蜂蜜売りのおばさん。  そこで、その代わりと言っては何だが、蜂蜜関連グッズとして売られていた蜂蜜リップクリームを買うことにした。その蜂蜜リップクリームは、直径10センチくらいの黄色くて円形の固形であった。おばさんは、「これは唇に塗るといいんだよ」と教えてくれた。「よし!これならお土産にできる!これで、蜂蜜を買わなくても申し訳が立つな。」ようやくおばさんが喜ぶ顔を見られると、私は張り切って3つ購入することにした。値段は3つで20バーツ。しかし、そんな私の気持ちとは裏腹に、蜂蜜リップクリームが売れてもおばさんはうれしそうではなかった。それどころか、おばさんは最後まで商売を諦めることなく、いつまでも「蜂蜜ビンを買って〜!」と私にせがんだのだった。私はしばらく蜂蜜売りおばさんの商売の様子を眺めていたが、誰一人として、その蜂蜜瓶を買って行った人はいなかった。どうやらものすごく売れ行きは悪そうだった。

 私は、そんなおばさんと一緒に記念写真を撮ることにした。このおばさんは今でも蜂蜜売りの仕事を続けているのだろうか?その写真を見る度に、必死で蜂蜜を売ろうとしていたおばさんの顔やその国境付近で働いていた人々のことを懐かしく思い出す。

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 さて、この蜂蜜リップクリーム、実は続編がある。バンコクのアパートに帰ってから、早速、試してみようと包み紙をはがしてみた。しかし、いざ使おうとすると、カチコチに固まっていて、リップクリームどころか、まるでロウソクのように硬く、とても使い物になるような代物ではなかった。3つも買ってしまったが、他にどんな使い道があるだろうか……。考えてはみたものの、他に何も使い道はないことは自分自身一番よくわかっていた。捨てた記憶はないのだが、今ではどこへ行ってしまったのやら!?

 ラオスのワンタオ村ではいくつもの面白い貴重な体験をしました。ワイルドな蜂蜜売りの次は、日本でもおなじみのあるモノに出会った話しでもしましょうか。日本でもおなじみなあるモノとは…。



Vol. 1 ★国境越えに初挑戦〜タイからラオスへ
Vol. 2
★ラオス、ワンタオ村での蜂蜜売り
Vol. 3
★国境越え危機一髪!
Vol. 4 ★国境付近、人々の出会いと別れ


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